読書でもしようかと、本に手を伸ばすと


「千夏って大切なやついる?」


いきなり奏太から声を掛けられた。


大切な人…。


そう聞かれてすぐにお姉ちゃんの顔が浮かんだ。


『うん、いるよ』


「俺もいるんだ」


『もしかして…彼女?』


そう聞くと乾いた笑い声をだした。