なにに対しての謝罪かと聞かれたら、すぐには答えられない。
でもわたしは茶屋くんを傷つけてしまったにちがいなくて。
「仮面なんて、どうでもよかったのっ……」
……いや、ちょっとは気になってたけど。
その仮面をはがしてみたいという気持ちはとっくの昔になくなっていた。
それこそ、最初に茶屋くんのひみつに気づいたときに思ったぐらいで。
「もう茶屋くんが嫌がるようなことはしないし、このことも誰にも言わないから……ちゃんと目を見て話してよっ……おねがい」
静まりかえる教室。
わたしたちのあいだに夕日が差しこんで境目をつくる。
「……まさか。それでずっと見てきてたの」
さきに口をひらいたのは茶屋くん。



