首に押しつけられた刃の感触が、ますます強くなる。
どうして、なぜ。
なぜ、こんなところで、首に刃を突き付けられなければならないのだろう。

「――姿を見せられないというのなら……」

 もう少しだけ、首にあたる刃に力がこめられる。ちりっとした痛みが広がった。
アイリーシャ・シュタッドミュラー、どうやら、いきなり王族から処刑される運命が待っているらしい……。
 この世界に転生して十五年、いったいどうしてこうなった。