たしか、彼は、過ちを犯した結果、時の流れから取り残されて、戦乙女に協力していくことになった。
 それが、彼の償いだから――そう語った彼の髪は、赤かった。

「……そう、そういうことだったの」

 思わず苦笑してしまう。
 まんまと、いいように神様に使われてしまった。
 三百年後、再びミカルと再会することになるかもしれない。その時、こちらは"玉"で、彼は人の姿のままだろうけれど。

(……どうか、この世界が、それまで平和でありますように)

 他の魔神が来るとか縁起でもない予想をされたけれど――まあ、大丈夫だろう。
 三百年後、ちゃんと次代の乙女を導けるようにしていたい。

「君が、無事でよかった。今度は、俺は君を守ることができた?」
「……ええ。あなたがいなかったら、きっと私はここまでたどり着くことができなかったと思います」

 思いがけない出会い。
 エドアルトの手が、顎にかかる。
 そっと触れ合わされる唇を、黙って受け入れた。