「エドアルト様に」
そんな言葉が漏れてしまったのは、どうしてだろう。
「エドアルト様に、守ってもらえる人は幸せですね――だって、そうしたら、絶対安心じゃないですか」
「そうであればいいと思う」
その声音は堅苦しく、表情もむっとしているように見える。
それなのに、アイリーシャにはわかってしまう。彼が、今の言葉を喜んでいるということが。
「……ここだ」
王宮の一番奥。
普通なら、王族以外は立ち入りを許されない場所。アイリーシャはそこにいた。
そこは、円形の広間だった。床には、タイルで複雑な模様が描かれている。その模様はよく見れば、魔術円であった。タイルだけかと思っていたら、色のついている部分は宝石、貴石で作られているようだった。
(宝石や貴石には、魔術的な力があるっていうけれど……ここまで大掛かりなものは見たことがないかも)
対となる小さな水晶に魔力をこめ、ルルの追跡装置を作ったのはアイリーシャだ。
だが、小粒の宝石や貴石ならともかく、これだけ大掛かりな魔術的仕掛けは見たことがない。
そんな言葉が漏れてしまったのは、どうしてだろう。
「エドアルト様に、守ってもらえる人は幸せですね――だって、そうしたら、絶対安心じゃないですか」
「そうであればいいと思う」
その声音は堅苦しく、表情もむっとしているように見える。
それなのに、アイリーシャにはわかってしまう。彼が、今の言葉を喜んでいるということが。
「……ここだ」
王宮の一番奥。
普通なら、王族以外は立ち入りを許されない場所。アイリーシャはそこにいた。
そこは、円形の広間だった。床には、タイルで複雑な模様が描かれている。その模様はよく見れば、魔術円であった。タイルだけかと思っていたら、色のついている部分は宝石、貴石で作られているようだった。
(宝石や貴石には、魔術的な力があるっていうけれど……ここまで大掛かりなものは見たことがないかも)
対となる小さな水晶に魔力をこめ、ルルの追跡装置を作ったのはアイリーシャだ。
だが、小粒の宝石や貴石ならともかく、これだけ大掛かりな魔術的仕掛けは見たことがない。


