「……わかった。まあ、説明不足だったというのはこちらの落ち度だからね。君がある程度落ち着くまでは、いろいろ教えてあげることにするよ」
「本当? ありがとう、神様!」

 神様と呼ばれて、猫は胸をはった。

「大丈夫、我に任せておけばいい。まあ、今日はガーデンパーティーを楽しんでおいで。修業は明日から、ね」
「そうね、お友達を作らないといけないし」

 子供の頃から、友好的な人間関係を築くのは大切だ。両親もそこを考えて、招待客は厳密に厳選しているらしい。

(……聖女、になるのは怖いけど)

 スチルで見た限り、魔神の見た目はグロかった。あれと真正面から戦わなければならないというのは怖い。
けれど、一度約束してしまったのだ。嘘だけはつけない。

(……まあ、予想はしていたけど)

 アイリーシャの誕生日を祝うため、今日は盛大なガーデンパーティーを開いてくれている。
だが、純粋にアイリーシャの誕生日を祝うためだけではない。
大人同士、交友関係を広げようというのである。
 前世でも、何度もこういった場に同行させられた。