「えっと……そこで昼寝をしています」
ルルは、自分用に用意された籠の中ですやすやと眠っている。
ちらりとテーブルの下をのぞき、ルルの尾が見えているのを確認するとエドアルトは改めてこちらに向き直る。
「休む時は、休んでくれ。君は――無理をするから」
「……無理はしていません。大丈夫です」
それでも、そんな風に声をかけられるのを嬉しいと思ってしまうのだからたいがいかもしれない。
ふと視線を感じて顔を上げれば、今の今まで存在感を消滅させていたノルベルトがにやにやとしながらこちらを見ていた。
(た、質が悪い……!)
どうも、ノルベルトはアイリーシャとエドアルトを結び付けようとしているようだ。
その念をひしひしと感じるから、エドアルトと一緒にいるところを兄に見られるのは気まずい。
「殿下、王宮に戻る時、俺も一緒に行っていいですか。お預かりしている資料、殿下一人じゃ持てないでしょう」
「そうだな――あとで誰か来させてもいいが」
「いや、ヴィクトルに話があるので。リーシャ、お前も来いよ」
いきなり兄に言われて、アイリーシャは固まった。
(……なんで?)
ルルは、自分用に用意された籠の中ですやすやと眠っている。
ちらりとテーブルの下をのぞき、ルルの尾が見えているのを確認するとエドアルトは改めてこちらに向き直る。
「休む時は、休んでくれ。君は――無理をするから」
「……無理はしていません。大丈夫です」
それでも、そんな風に声をかけられるのを嬉しいと思ってしまうのだからたいがいかもしれない。
ふと視線を感じて顔を上げれば、今の今まで存在感を消滅させていたノルベルトがにやにやとしながらこちらを見ていた。
(た、質が悪い……!)
どうも、ノルベルトはアイリーシャとエドアルトを結び付けようとしているようだ。
その念をひしひしと感じるから、エドアルトと一緒にいるところを兄に見られるのは気まずい。
「殿下、王宮に戻る時、俺も一緒に行っていいですか。お預かりしている資料、殿下一人じゃ持てないでしょう」
「そうだな――あとで誰か来させてもいいが」
「いや、ヴィクトルに話があるので。リーシャ、お前も来いよ」
いきなり兄に言われて、アイリーシャは固まった。
(……なんで?)


