黒い毛並みに赤い首輪。どこから見ても単なるペットであって、聖獣には見えない。
けれど、アイリーシャの誕生日に倒れている人を発見したこと、ラベンダー祭りの日、そしてつい先ほどと三度もルルがこん睡状態に陥った人の側にいたことを告げる。
もしかして、聖獣の血を引いているから、倒れている人を気にかけているのではないか。そう話すとミカルは思案する表情になった。
「"聖獣"はかつてたしかに存在したとは言われますが……まさか、この犬が、ねぇ」
基本的には、誰にでも愛想のよいルルなのだが、ミカルは苦手らしい。
ミカルに向かってぐるぐると唸り、差し出された彼の手に向かって威嚇するように牙をちらつかせる。
「ああ、こら、やめなさい!」
「こ、こら、ルル! やめなさい! もー、どうしたっていうのよ!」
他の人にはこんなことはしないので、アイリーシャは困り果ててしまった。まだぐるぐる言っているルルに向かって指を振る。
「先生に噛みつかないの! おとなしくしていなさい!」
ここでは所長と呼ばねばならないのに、うっかり子供の頃からの名前で呼んでしまった。
けれど、アイリーシャの誕生日に倒れている人を発見したこと、ラベンダー祭りの日、そしてつい先ほどと三度もルルがこん睡状態に陥った人の側にいたことを告げる。
もしかして、聖獣の血を引いているから、倒れている人を気にかけているのではないか。そう話すとミカルは思案する表情になった。
「"聖獣"はかつてたしかに存在したとは言われますが……まさか、この犬が、ねぇ」
基本的には、誰にでも愛想のよいルルなのだが、ミカルは苦手らしい。
ミカルに向かってぐるぐると唸り、差し出された彼の手に向かって威嚇するように牙をちらつかせる。
「ああ、こら、やめなさい!」
「こ、こら、ルル! やめなさい! もー、どうしたっていうのよ!」
他の人にはこんなことはしないので、アイリーシャは困り果ててしまった。まだぐるぐる言っているルルに向かって指を振る。
「先生に噛みつかないの! おとなしくしていなさい!」
ここでは所長と呼ばねばならないのに、うっかり子供の頃からの名前で呼んでしまった。


