アイリーシャは、バッグに手をやった。昨日も街中までルルが追いかけてきたものだから、常に持ち歩くようにしたのだ。ルル追跡装置を。
ルルの声がして、エドアルトがそっちに向かったというのなら、ルルを探せば合流できるかもしれない。
「ええと、こうやって魔力を流し込んで……」
「リーシャお前、何やってるの?」
「しかたないでしょ! こういう使い方をするんだから!」
ノルヴェルトがこちらを見る目が、若干生暖かいのは気にしてないふりをする。魔力を流し込んだ水晶を手のひらに乗せて、くるりとその場で一周した。
「……あっち!」
淡く光る水晶は、窓の方を向いた時、ひときわ強く輝いた。エドアルトが走り去った方向だ。
「私、ちょっと行ってくる!」
「待て、俺も行くから!」
エドアルトのように、窓から飛び降りるというわけにはいかない。
アイリーシャとノルヴェルトは、大急ぎで廊下を走り抜け――行儀悪いがこの際仕方ない――階段も一段置きに駆け下りて、外に出た。
庭園に出たところで、もう一度一周してみる。同じ方向を指したから、そのまままっすぐ前進だ。
(……私には、全然聞こえないのに)
ルルの声がして、エドアルトがそっちに向かったというのなら、ルルを探せば合流できるかもしれない。
「ええと、こうやって魔力を流し込んで……」
「リーシャお前、何やってるの?」
「しかたないでしょ! こういう使い方をするんだから!」
ノルヴェルトがこちらを見る目が、若干生暖かいのは気にしてないふりをする。魔力を流し込んだ水晶を手のひらに乗せて、くるりとその場で一周した。
「……あっち!」
淡く光る水晶は、窓の方を向いた時、ひときわ強く輝いた。エドアルトが走り去った方向だ。
「私、ちょっと行ってくる!」
「待て、俺も行くから!」
エドアルトのように、窓から飛び降りるというわけにはいかない。
アイリーシャとノルヴェルトは、大急ぎで廊下を走り抜け――行儀悪いがこの際仕方ない――階段も一段置きに駆け下りて、外に出た。
庭園に出たところで、もう一度一周してみる。同じ方向を指したから、そのまままっすぐ前進だ。
(……私には、全然聞こえないのに)


