今日も水晶は家に置いてきてしまっていた。それを悔やみながら、エドアルトに続いて走り始める。
(こんなことなら、あれを常に持ち歩くべきなんじゃないの……!)
留守番させていたはずのルルが、ついてきてしまうとは思っていなかった。さらには、一緒にいたはずなのに逃げ出すなんて。
(私、ひょっとして信じられていないのかしら……)
アイリーシャはルルを可愛がっているつもりだけれど、ルルの方ではアイリーシャを必要としていないのではないだろうか。
不意にそんな風に思えて、走りながら落ち込んだ。
「エドアルト様、どこに向かってるんですか?」
「あいつの声が、こっちから聞こえる!」
どうしてエドアルトには、ルルの声が聞こえるのだろう。アイリーシャの耳には、何も聞こえていないのに。
けれど、エドアルトの耳には聞こえているというのなら、彼の後を追うだけだ。
エドアルトは人ごみを外れ、神殿の裏手の方へと回っていく。町にはたくさんの人が出ているけれど、神殿の周囲は例外だ。
ここを訪れるのは、神殿に参拝する者か、中で治療を受けている者への見舞客くらいだろう。
(こんなことなら、あれを常に持ち歩くべきなんじゃないの……!)
留守番させていたはずのルルが、ついてきてしまうとは思っていなかった。さらには、一緒にいたはずなのに逃げ出すなんて。
(私、ひょっとして信じられていないのかしら……)
アイリーシャはルルを可愛がっているつもりだけれど、ルルの方ではアイリーシャを必要としていないのではないだろうか。
不意にそんな風に思えて、走りながら落ち込んだ。
「エドアルト様、どこに向かってるんですか?」
「あいつの声が、こっちから聞こえる!」
どうしてエドアルトには、ルルの声が聞こえるのだろう。アイリーシャの耳には、何も聞こえていないのに。
けれど、エドアルトの耳には聞こえているというのなら、彼の後を追うだけだ。
エドアルトは人ごみを外れ、神殿の裏手の方へと回っていく。町にはたくさんの人が出ているけれど、神殿の周囲は例外だ。
ここを訪れるのは、神殿に参拝する者か、中で治療を受けている者への見舞客くらいだろう。


