「友人に贈りたいの。もっと、可愛らしい感じの……」
屋台の一つで、あれこれと商品を見比べていたら、ぽんと肩を叩かれた。
(まさか、ナンパ?)
日頃、ナンパなんて縁のない世界で暮らしているが、今日は違う。
アイリーシャも、貴族の娘には見えない服を着ているから、単に声をかけようと思う者がいても不思議ではない。
けれど、ナンパを警戒しながら後ろを振り返り、そこでアイリーシャは固まった。
(どうして、なぜ)
声に出さなかっただけ、誉めてほしい。そこに立っていたのは、エドアルトだった。
「で、殿下……?」
そう声にすると、彼はしっと人差し指を唇に当てた。
「今日、ここに来ると思っていたんだ」
なぜ、そう思う。
思わず、じっとりとした目をしてしまう。たぶん、父親か誰かに聞いたのだろう。
「エドアルト」
「……はい?」
「今日はそう呼んでほしい」
そんなことを言われても。
だが、エドアルトは、アイリーシャと同じように庶民と区別のつかない服装だ。これって、お忍びと言うやつではないだろうか。
「……でも」
「護衛はちゃんとついている、問題ない」
屋台の一つで、あれこれと商品を見比べていたら、ぽんと肩を叩かれた。
(まさか、ナンパ?)
日頃、ナンパなんて縁のない世界で暮らしているが、今日は違う。
アイリーシャも、貴族の娘には見えない服を着ているから、単に声をかけようと思う者がいても不思議ではない。
けれど、ナンパを警戒しながら後ろを振り返り、そこでアイリーシャは固まった。
(どうして、なぜ)
声に出さなかっただけ、誉めてほしい。そこに立っていたのは、エドアルトだった。
「で、殿下……?」
そう声にすると、彼はしっと人差し指を唇に当てた。
「今日、ここに来ると思っていたんだ」
なぜ、そう思う。
思わず、じっとりとした目をしてしまう。たぶん、父親か誰かに聞いたのだろう。
「エドアルト」
「……はい?」
「今日はそう呼んでほしい」
そんなことを言われても。
だが、エドアルトは、アイリーシャと同じように庶民と区別のつかない服装だ。これって、お忍びと言うやつではないだろうか。
「……でも」
「護衛はちゃんとついている、問題ない」


