「遅れると連絡させた。問題ない。こちらの様子を確認してからだ」
エドアルトは、バーデン伯爵夫人の側に付き添っている。特に声をかけるような真似はしなかったけれど、夫人はエドアルトが付き添っていることでずいぶん安心したようだ。
大急ぎで呼ばれた医師が駆けつけ、動かしても問題ないと判断されてから邸内に運び込んだ。
「たいしたことがなさそうでよかった。では、アイリーシャ嬢、失礼する」
「あ、はい!」
倒れたアデルが部屋に運ばれ、落ち着くのを確認してから、エドアルトは屋敷を後にした。
彼を見送ってから気づく。
(……そう言えば、殿下は何か言おうとしていたんじゃ……?)
ちょうどルルの鳴き声が聞こえたから、話は中断してしまったけれど、エドアルトは何か話そうとしていた気がする。
話さずに行ってしまったということは、たぶんたいした話ではなかったのだろう。
(……やっぱり)
氷と言われているから誤解しそうになるけれど、エドアルトの胸にはちゃんと温かいものがある。彼なら、この国をきっと盛り立てて行ってくれる。
エドアルトは、バーデン伯爵夫人の側に付き添っている。特に声をかけるような真似はしなかったけれど、夫人はエドアルトが付き添っていることでずいぶん安心したようだ。
大急ぎで呼ばれた医師が駆けつけ、動かしても問題ないと判断されてから邸内に運び込んだ。
「たいしたことがなさそうでよかった。では、アイリーシャ嬢、失礼する」
「あ、はい!」
倒れたアデルが部屋に運ばれ、落ち着くのを確認してから、エドアルトは屋敷を後にした。
彼を見送ってから気づく。
(……そう言えば、殿下は何か言おうとしていたんじゃ……?)
ちょうどルルの鳴き声が聞こえたから、話は中断してしまったけれど、エドアルトは何か話そうとしていた気がする。
話さずに行ってしまったということは、たぶんたいした話ではなかったのだろう。
(……やっぱり)
氷と言われているから誤解しそうになるけれど、エドアルトの胸にはちゃんと温かいものがある。彼なら、この国をきっと盛り立てて行ってくれる。


