「殿下、目にかかれて光栄です。まさか、今日こちらにいらっしゃるとは」
にっこりとエドアルトに微笑みかけたヴァレリアだったけれど、エドアルトは一瞬にして雰囲気を変えた。
アイリーシャに向けているのとはまったく違う表情だ。あきらかに、ヴァレリアとの間に見えない壁を作り上げている。
その変化を感じ取れないほど、ヴァレリアも愚かではなかった。
そして。
(まずいまずいまずいまずい……なんで、殿下は他の人にはあんなに不愛想なのよ……!)
時々、領地に遊びに来てくれたダリアやミリアムから聞いていた。
父からも聞かされていた。
エドアルトの"絶氷"という噂。だが、アイリーシャと話をする時は、そんな雰囲気はみじんも感じさせなかったから、多少ぶっきらぼうだとか人見知りだとか。その程度だろうと思っていたのである。
(……というか)
ヴァレリアに対する時は、他の令嬢に対するよりもさらに氷具合が増しているような気がする。
アイリーシャまで、背筋がぞくりとしてくるのだから、それを直接向けられているヴァレリアは相当のものなのではないだろうか。
にっこりとエドアルトに微笑みかけたヴァレリアだったけれど、エドアルトは一瞬にして雰囲気を変えた。
アイリーシャに向けているのとはまったく違う表情だ。あきらかに、ヴァレリアとの間に見えない壁を作り上げている。
その変化を感じ取れないほど、ヴァレリアも愚かではなかった。
そして。
(まずいまずいまずいまずい……なんで、殿下は他の人にはあんなに不愛想なのよ……!)
時々、領地に遊びに来てくれたダリアやミリアムから聞いていた。
父からも聞かされていた。
エドアルトの"絶氷"という噂。だが、アイリーシャと話をする時は、そんな雰囲気はみじんも感じさせなかったから、多少ぶっきらぼうだとか人見知りだとか。その程度だろうと思っていたのである。
(……というか)
ヴァレリアに対する時は、他の令嬢に対するよりもさらに氷具合が増しているような気がする。
アイリーシャまで、背筋がぞくりとしてくるのだから、それを直接向けられているヴァレリアは相当のものなのではないだろうか。


