と思ってしまうのは、公爵家の娘である以上、彼に必要以上に近づくと何かあると思われかねないからだ。
できれば、今回は政略結婚は遠慮したい。
(それに、お兄様とのこともあるし……)
ノルヴェルトとエドアルトは、エドアルトの剣の調整をしているということもあり、単なる友人以上の関係である。
シュタッドミュラー家が、王家に必要以上に近づいていると思われるのも、あまりよくないことだろう。
(今回は、こういう面倒なことからは解放されると思っていたんだけど……)
エドアルトと並んで歩きながらも、ちょっと遠い目になってしまう。
できれば、家族にお土産を買って帰りたかったけれど、エドアルトに見つかったならあきらめるしかない。
「君の馬車はどこ?」
「もうちょっと行ったところです、その先で待ってもらっていて……」
アイリーシャの手を引いて、エドアルトは歩き始める。
素直に彼に従って歩き始めたけれど、何を話しているのか、ろくに頭に入ってこない。
「……あっ」
目を上げた瞬間、飛び込んできたのは小さな黒い犬だった。首輪はつけておらず、あちこち汚れている。
できれば、今回は政略結婚は遠慮したい。
(それに、お兄様とのこともあるし……)
ノルヴェルトとエドアルトは、エドアルトの剣の調整をしているということもあり、単なる友人以上の関係である。
シュタッドミュラー家が、王家に必要以上に近づいていると思われるのも、あまりよくないことだろう。
(今回は、こういう面倒なことからは解放されると思っていたんだけど……)
エドアルトと並んで歩きながらも、ちょっと遠い目になってしまう。
できれば、家族にお土産を買って帰りたかったけれど、エドアルトに見つかったならあきらめるしかない。
「君の馬車はどこ?」
「もうちょっと行ったところです、その先で待ってもらっていて……」
アイリーシャの手を引いて、エドアルトは歩き始める。
素直に彼に従って歩き始めたけれど、何を話しているのか、ろくに頭に入ってこない。
「……あっ」
目を上げた瞬間、飛び込んできたのは小さな黒い犬だった。首輪はつけておらず、あちこち汚れている。


