「このドレスを着るのは、午後になってからよ。汚したら困るもの。お着替えをしてから、朝食室におりていらっしゃい」
母の手から乳母の手に託され、普段使いのワンピースに着替えてから、階下の朝食室に降りていく。
「おはよう、リーシャ」
「おはようございます、お父様」
真っ先に声をかけてきたのは、シュタッドミュラー公爵である父だ。四十代に入ったところで、ほっそりとした母とは対照的に縦にも横にも大きい。
父の隣に母が座り、向かい合う位置に三人の兄が座っている。どうやら今日はアイリーシャが最後だったようだ。
口々に「おはよう」と声をかけてくる兄達は、十歳のルジェクを筆頭に、ノルベルト、ヴィクトルと年子が続く。三人とも、父親そっくりだ。
「今日は、午後からリーシャの誕生会だからな。勉強は午前中のうちに終わらせておきなさい」
「はい、お父様!」
三人の声が綺麗にそろう。三人の兄達は、もう家庭教師をつけての勉強が始まっているのだ。
(記憶を整理するなら午前中のうちね……)
母の手から乳母の手に託され、普段使いのワンピースに着替えてから、階下の朝食室に降りていく。
「おはよう、リーシャ」
「おはようございます、お父様」
真っ先に声をかけてきたのは、シュタッドミュラー公爵である父だ。四十代に入ったところで、ほっそりとした母とは対照的に縦にも横にも大きい。
父の隣に母が座り、向かい合う位置に三人の兄が座っている。どうやら今日はアイリーシャが最後だったようだ。
口々に「おはよう」と声をかけてくる兄達は、十歳のルジェクを筆頭に、ノルベルト、ヴィクトルと年子が続く。三人とも、父親そっくりだ。
「今日は、午後からリーシャの誕生会だからな。勉強は午前中のうちに終わらせておきなさい」
「はい、お父様!」
三人の声が綺麗にそろう。三人の兄達は、もう家庭教師をつけての勉強が始まっているのだ。
(記憶を整理するなら午前中のうちね……)


