紅の様子でなにかを察したらしい田端が、気まずそうにつぶやいた。
「今度は……マジで邪魔者だったみたいだな」
「ごめんなさい、田端さん。私、先に帰ります」
「お、おぅ」
「あの人、親戚じゃなくて……私の好きな人なんです!」
紅はそう言い捨てると、宗介を探して走り出した。
宗介が好きだ。そう口にしたのは、多分初めてだった。けれど、言葉にしてみれば、自分でも驚くほどあっさりと確信が持てた。
(うん。私、宗くんが好きなんだ)
距離としてはそう離れてはいないはずなのに、六本木の街には人が溢れかえっていて彼はなかなか見つからない。
「……ダメだ。見失ったかも」
電話をすればいい。その事実にはっと気がつき、紅は慌ててポケットからスマホを取り出した。
気がせいているせいか、発信音が鳴り出すまでの間がやけに長く感じられた。
やっと鳴った。そう思った瞬間に、紅の目は宗介の姿をとらえた。
「今度は……マジで邪魔者だったみたいだな」
「ごめんなさい、田端さん。私、先に帰ります」
「お、おぅ」
「あの人、親戚じゃなくて……私の好きな人なんです!」
紅はそう言い捨てると、宗介を探して走り出した。
宗介が好きだ。そう口にしたのは、多分初めてだった。けれど、言葉にしてみれば、自分でも驚くほどあっさりと確信が持てた。
(うん。私、宗くんが好きなんだ)
距離としてはそう離れてはいないはずなのに、六本木の街には人が溢れかえっていて彼はなかなか見つからない。
「……ダメだ。見失ったかも」
電話をすればいい。その事実にはっと気がつき、紅は慌ててポケットからスマホを取り出した。
気がせいているせいか、発信音が鳴り出すまでの間がやけに長く感じられた。
やっと鳴った。そう思った瞬間に、紅の目は宗介の姿をとらえた。



