クラブやライブハウスなどのネオンが賑やかな通りに、そのお店はあった。フレンチダイニングらしいが、たしかにホストクラブやキャバクラを思わせるような派手な外観だった。
「私、六本木のお店なんて初めてです」
「俺は数年振りだわ。二ノ宮は?」
「私もあんまり……」
紅も同調しかけたが、はたと気がついた。大通りを挟んだ向かい側にそびえたつ高層ビルには見覚えがあった。
(あっ、宗くんの会社のあるとこだ)
裏通りを抜けてきたのでピンとこなかったのだが、ここは宗介の会社のビルのすぐ近くだった。
(宗くんはまだ仕事中かな……)
どこが宗介のいるフロアなのかはさっぱりわからないが、煌々と輝くビルの明かりを眺めながら、彼のことを考えた。
「ま、とりあえず入ろうぜ」
田端に促されて、紅は地下の店へと続く階段を下りた。
主役である三木と陽菜は、とてもいい感じだ。話も弾んでいるようだし、傍目に見ても爽やかでお似合いのふたりだった。
田端は三木の先輩にあたる女性と話し込んでいた。と言っても、色っぽい話ではなく仕事の話をしている様子だ。紅はあまり他の課の人間と交流がないのだが、田端はかなり顔が広いようで彼女とも元から顔見知りのようだ。
紅はと言うと……ある種のカルチャーショックを味わっているところだった。
「私、六本木のお店なんて初めてです」
「俺は数年振りだわ。二ノ宮は?」
「私もあんまり……」
紅も同調しかけたが、はたと気がついた。大通りを挟んだ向かい側にそびえたつ高層ビルには見覚えがあった。
(あっ、宗くんの会社のあるとこだ)
裏通りを抜けてきたのでピンとこなかったのだが、ここは宗介の会社のビルのすぐ近くだった。
(宗くんはまだ仕事中かな……)
どこが宗介のいるフロアなのかはさっぱりわからないが、煌々と輝くビルの明かりを眺めながら、彼のことを考えた。
「ま、とりあえず入ろうぜ」
田端に促されて、紅は地下の店へと続く階段を下りた。
主役である三木と陽菜は、とてもいい感じだ。話も弾んでいるようだし、傍目に見ても爽やかでお似合いのふたりだった。
田端は三木の先輩にあたる女性と話し込んでいた。と言っても、色っぽい話ではなく仕事の話をしている様子だ。紅はあまり他の課の人間と交流がないのだが、田端はかなり顔が広いようで彼女とも元から顔見知りのようだ。
紅はと言うと……ある種のカルチャーショックを味わっているところだった。



