「ていうか、桂木社長やっぱりここに住んでるんじゃないですかぁ~。モモ、言いふらしたりしないのに嘘つくなんてひどいなぁ」
この時間にこの場所にいて、住んでいないと言い張るのはやや無理があるだろうか。宗介はあえてなにも言わずに微笑むだけで済ませた。あれこれ喋るほうが下手を打ちそうだ。
「友達の彼より、桂木社長の部屋のほうが興味あるなぁ~」
「そう? なら、今度は僕が食事会を主催するよ」
彼女ひとりに押しかけられるくらいなら、キャンペーンの決起会とでも銘打って、社員や彼女の事務所の社長でも招いたほうがよほど良い。暗にふたりきりになる気はないと伝えたつもりだったのだが、彼女は存外に手強かった。
「みんなでじゃなくて、ふたりがいいな!」
甘いったるい鼻にかかる声で言って、宗介の肩に頭をもたせかけた。その仕草に、宗介は妙な違和感を覚えた。あまりにも芝居がかっているというか……彼女は、まるで仕事中かのような完璧さで<タレント立花モモ>を演じているように思えた。
そもそも彼女がひとりでここにいるのはおかしいだろう。住人の車で来たなら、彼らと一緒にのはずだし、ひとりで来たならこの駐車場には立ち入れないはずだ。正面エントランスから入るのが自然だろう。
(これは、もしかして……)
宗介は駐車中の高級車の列を、注意深く探り見た。
この時間にこの場所にいて、住んでいないと言い張るのはやや無理があるだろうか。宗介はあえてなにも言わずに微笑むだけで済ませた。あれこれ喋るほうが下手を打ちそうだ。
「友達の彼より、桂木社長の部屋のほうが興味あるなぁ~」
「そう? なら、今度は僕が食事会を主催するよ」
彼女ひとりに押しかけられるくらいなら、キャンペーンの決起会とでも銘打って、社員や彼女の事務所の社長でも招いたほうがよほど良い。暗にふたりきりになる気はないと伝えたつもりだったのだが、彼女は存外に手強かった。
「みんなでじゃなくて、ふたりがいいな!」
甘いったるい鼻にかかる声で言って、宗介の肩に頭をもたせかけた。その仕草に、宗介は妙な違和感を覚えた。あまりにも芝居がかっているというか……彼女は、まるで仕事中かのような完璧さで<タレント立花モモ>を演じているように思えた。
そもそも彼女がひとりでここにいるのはおかしいだろう。住人の車で来たなら、彼らと一緒にのはずだし、ひとりで来たならこの駐車場には立ち入れないはずだ。正面エントランスから入るのが自然だろう。
(これは、もしかして……)
宗介は駐車中の高級車の列を、注意深く探り見た。



