司会の女性から宗介にマイクが渡ると、会場は一気に盛り上がった。マイクに向かって、彼が話し出す。

「どっちも正解なんです。な、紅」

 紅はうなずく。秘密めいた眼差しを交わし合って、ふたりでクスクスと笑った。

 プロポーズは自分から。それがふたりにとっての紛れもない真実だった。
            本編END