「言えた義理ではないのを承知で……宗介さん、どうか紅ちゃんを幸せにしてあげてください。私のせいで、しなくていい苦労をたくさんかけてしまったから」
「姉ちゃん。俺たちのせいで、本当にごめんな。今日はそれを言いたくて来たんだ。な、母さん」
思いがけない展開に、紅は驚きを隠せない。晶と京香の顔を交互に見やった。
「えぇ。ごめんね、紅ちゃん。謝る資格すらないけど、本当にごめんなさい」
「……お母さん」
お母さん。そう口にしたのは、いつぶりだろうか。幼い頃に死別した実母の記憶はほとんどない。色々と思うところはあるけれど、紅が「お母さん」と呼べるのはこの人だけなのだ。
「ほら、母さん。あれ、渡すんだろ」
晶がつんつんと、肘で京香を促した。彼女は「やっぱりいいわよ」とためらっていたが、晶はしつこかった。説得された京香は、照れくさそうに大きな紙袋をテーブルの上に置いた。
「なぁに、これ?」
紅が聞くと、京香は袋の中身を取り出した。様々な大きさの箱がいくつか。どれも綺麗に包装され、リボンがかけられていた。包装紙が色褪せてしまっている古そうなものもあれば、まだ真新しいものもあった。
「姉ちゃん。俺たちのせいで、本当にごめんな。今日はそれを言いたくて来たんだ。な、母さん」
思いがけない展開に、紅は驚きを隠せない。晶と京香の顔を交互に見やった。
「えぇ。ごめんね、紅ちゃん。謝る資格すらないけど、本当にごめんなさい」
「……お母さん」
お母さん。そう口にしたのは、いつぶりだろうか。幼い頃に死別した実母の記憶はほとんどない。色々と思うところはあるけれど、紅が「お母さん」と呼べるのはこの人だけなのだ。
「ほら、母さん。あれ、渡すんだろ」
晶がつんつんと、肘で京香を促した。彼女は「やっぱりいいわよ」とためらっていたが、晶はしつこかった。説得された京香は、照れくさそうに大きな紙袋をテーブルの上に置いた。
「なぁに、これ?」
紅が聞くと、京香は袋の中身を取り出した。様々な大きさの箱がいくつか。どれも綺麗に包装され、リボンがかけられていた。包装紙が色褪せてしまっている古そうなものもあれば、まだ真新しいものもあった。



