京香は、結婚に反対などはしないだろう。紅がそうであるように、彼女も紅と母娘であるという意識は薄いだろうから。
(どんな顔して会えばいいのか、よくわからないな)
そこに、紅の不安をかき消すような元気な声が飛んできた。
「ねえちゃん!」
「晶。久しぶり!」
晶は高校に進学したばかりだ。男の子の成長期とは驚くべきもので、前回会ったときとは別人のように背が伸びていた。購入時にはブカブカだと言っていたブレーザーの制服も、すっかり板についている。幼さが抜けて、ぐっと男らしい顔つきになった。母親似のなかなかのイケメンだ。
「宗介さんも、お久しぶりです」
晶は歳のわりにはしっかりした子だが、宗介の前では少し緊張したらしい。声が妙に上擦っている。
「ずいぶんかっこよくなったな、晶くん。お母様も、長いことご無沙汰してしまっていて、申し訳ありませんでした」
晶に笑顔を向けてから、宗介は京香に頭を下げた。さっきまでの落ち着きのなさはどこへいったのか、いざ本番となると完璧なところは実に彼らしい。
(どんな顔して会えばいいのか、よくわからないな)
そこに、紅の不安をかき消すような元気な声が飛んできた。
「ねえちゃん!」
「晶。久しぶり!」
晶は高校に進学したばかりだ。男の子の成長期とは驚くべきもので、前回会ったときとは別人のように背が伸びていた。購入時にはブカブカだと言っていたブレーザーの制服も、すっかり板についている。幼さが抜けて、ぐっと男らしい顔つきになった。母親似のなかなかのイケメンだ。
「宗介さんも、お久しぶりです」
晶は歳のわりにはしっかりした子だが、宗介の前では少し緊張したらしい。声が妙に上擦っている。
「ずいぶんかっこよくなったな、晶くん。お母様も、長いことご無沙汰してしまっていて、申し訳ありませんでした」
晶に笑顔を向けてから、宗介は京香に頭を下げた。さっきまでの落ち着きのなさはどこへいったのか、いざ本番となると完璧なところは実に彼らしい。



