うなじに、背中に、彼のキスが降ってくる。身体の芯が熱くなって、しびれていく。彼の唇が触れている箇所だけに、全神経が集まっているような錯覚におちいる。
「あっ」
紅はたまらず吐息のような声を漏らす。彼がくすりと忍び笑いをする気配を、背中で感じた。
後ろから宗介の腕が伸びてきて、くるりと身体を反転させられた。彼の膝の上に乗せられ、至近距離で視線が甘く絡みあう。
「……紅からキスしてよ」
「えぇ!?」
「今夜は甘えさせてくれる約束だったろ」
「あれは、そういうことじゃなくて〜」
もっと精神的な部分で、彼の支えになりたいという決意表明のつもりだったのだ。キスを求められるなんて、想定外だ。
「いまさら、そんな照れなくても……」
紅の戸惑いは、宗介には理解できないようだ。
「で、でも……」
これまでは彼にリードされるがまま、すべておまかせ状態だったのだ。キスくらいと言われても、自分からなんて勝手がわからない。
「そんな嫌そうにされると、結構傷つくんだけど」
拗ねたように宗介がぼやく。紅は慌ててそれを撤回する。
「違うの! 嫌とかじゃなくて……その、宗くんみたいに上手にできないし」
「そんなのどうだっていいんだよ。紅からしてくれることに意味があるんだから。……ほら」
宗介は紅の手を取ると、自分の頬を触らせた。
「あっ」
紅はたまらず吐息のような声を漏らす。彼がくすりと忍び笑いをする気配を、背中で感じた。
後ろから宗介の腕が伸びてきて、くるりと身体を反転させられた。彼の膝の上に乗せられ、至近距離で視線が甘く絡みあう。
「……紅からキスしてよ」
「えぇ!?」
「今夜は甘えさせてくれる約束だったろ」
「あれは、そういうことじゃなくて〜」
もっと精神的な部分で、彼の支えになりたいという決意表明のつもりだったのだ。キスを求められるなんて、想定外だ。
「いまさら、そんな照れなくても……」
紅の戸惑いは、宗介には理解できないようだ。
「で、でも……」
これまでは彼にリードされるがまま、すべておまかせ状態だったのだ。キスくらいと言われても、自分からなんて勝手がわからない。
「そんな嫌そうにされると、結構傷つくんだけど」
拗ねたように宗介がぼやく。紅は慌ててそれを撤回する。
「違うの! 嫌とかじゃなくて……その、宗くんみたいに上手にできないし」
「そんなのどうだっていいんだよ。紅からしてくれることに意味があるんだから。……ほら」
宗介は紅の手を取ると、自分の頬を触らせた。



