「か、彼方くん……?」 「なに?」 「手……っ」 恥ずかしくなりながらも、そう訴えると、彼方くんは不思議そうに首を傾げた。 「なに?嫌なの?」 「え……い、嫌じゃない、けど…」 予想外の答えが返ってきて反射的にそう答えた。 ……確かに嫌、じゃないや。 すると彼方くんは嬉しそうな顔をしてそのまま歩いていく。 彼方くんと横に並びながら歩くと周りからの視線が痛い……。 それにしても、近い。