持ち物を整理していると、前の席の男の子が私に振り返った。 「うわ!後ろの子女の子だ!やった!」 「……え、」 なぜか、すごい喜んでいる男の子に首が傾いていく。 「えーっと……一華ちゃん!俺、堀川瑞希(ほりかわ みずき)!席近いし、仲良くしてね」 私の名前を見て、一華ちゃんと呼ぶ堀川くんは人懐っこい笑みを私に見せた。 「よ、よろしくね、堀川くん!」 話すのが苦手な私はどう返せばいいか分からなくて、ぎこちなく笑う。