「一華、初めて会った時のこと覚えてる?」
お母さんや麗さん、日佳もいるというのに。
まるで、私たち二人だけの空間とでも言うようにお構い無しに私の耳元で話し始める。
「うん…」
「最初は俺、一華のこと知りもしないで勝手に嫌って突き放してた。」
「うん」
「ごめん」
本当に後悔しているのだろうか。私を抱きしめる力が強くなる。
「なんで謝るの。私、気にしてないよ。」
「でも、一華のこと傷つけてたら……」
「傷ついてないよ。だって、彼方くんが嫌ってたのは私じゃなくて女の子でしょ。」
「……」
「今、すっごく優しいもん。……私だけに。だから嬉しい」
本当に、嬉しいの。そう思っちゃうのは最低かな??
ほかの女の子には申し訳ないけど、でもそれだけ彼方くんが私のことを好いてくれるのだと思うとすごく嬉しいから。
「一華は、本当にずっと優しい。全部好き。」
もっともっと力を入れてギューッとされる。
恥ずかしいけど嬉しい。

