「ちょ、ちょちょちょ、彼方くん……っ!」


心臓持たないよ……っ!
こっちはドキドキと加速する心臓を抑えようと必死なのに。


「嫌…?」

「…っ、嫌じゃない、けど!!」


ならいいじゃん、と言ってさらに強く私を抱きしめる彼方くん。


「ど、ドキドキして死にそう……」


弱々しくそう言葉を吐く私に彼方くんの動きはピタッと止まり私から軽く離れる。


「…っなにそれ可愛い」

「うるさいよ彼方くん……っ!」


このままじゃ死んじゃうと思った私は、着替えるから!と言って彼方くんを追い出した。



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「海堂と付き合うことになった!?」

「……う、うん」


昨日のことを絹ちゃんに伝えると、バンッと机を叩いて叫ぶ。

幸い、周りはガヤガヤしていて聞いていないみたい。