彼方くんの部屋で座ると、彼方くんは私の目の前に座った。


「一華」


そう呼ぶ声は優しくて、きゅんとなる。


「さっきの、夢じゃないよね?」

「…うん」

「あー、もう本当に好き」

「私も、好きだよ」


顔が熱くなるのを感じながらも彼方くんの目を見てそう伝える。


「ねぇ一華」

「うん」

「…俺の彼女になってくれる?」

「っ、はい……っ」


彼女、その響きが嬉しくて恥ずかしくて、理由もないのにまた涙が浮かんで。
彼方くんはその涙を手で優しく拭ってくれる。

両想い、なんだ。彼方くんが私の彼氏なんだ。
その事実に口角が上がって。ニコニコ、笑顔が止まらない。


「っ、可愛い一華」

「…っ、へ」