女の子は敵に回すし、海堂彼方は女嫌いだし。
……さすがにこれは無理がある。
私、男の人と話すの苦手だし。目合わせるのも限界だし。
海堂彼方の目線で殺されそうだよ……。
と、とにかくこの状況どうすればいい?
絶対仲良くなんて無理だと思うし。
お母さんはこの人が女嫌いって知らないの?この人はなんでこの家に来ることに了承したの?
と意味のわからない疑問ばかりが頭の中でぐるぐると走っていた。
「姉ちゃん、俺部屋行くから。あとよろしく」
「……え?なに?なんて言った?」
完全に自分の世界に入り込んでいた私は、日佳の言葉なんて全く聞いていなかった。