「ねぇ、お母さん?馬鹿なの?頭おかしいんじゃないの?」
「あら〜そんなことないわよ?」
「そういうのは先に言ってよ!」
しかも、よりにもよって海堂彼方と!!
女嫌いなんでしょ!?
絶対半年間なんて無理だし、ファンに知られたら殺されるに決まってる。
「……あんた、春(はる)さんの娘……?」
さっきまで黙っていた海堂くんは私を鋭い目で見つめそう聞いた。
その私を見つめる視線でさえ、怖いはずなのにドキッとしてしまう。
「……っ、そ、そうですけど」
「……」
私が遠慮気味にそう言うとスルーする海堂くん。
人と話すのが苦手な私が海堂くんと話せるわけない。上手く言葉が出てこなかった。
だって言えないでしょ。同じクラスなんですけど!なんてさ。
オーラが黒い。黒すぎる。
……怖い、この人怖い。

