彼方くんは目を丸くして私を見た。 「安心、する?」 そう言ってフワッと笑うと、彼方くんはハハッと笑った。 「ほんと、一華には敵わない」 「ええ?」 どういう意味かはよくわからないけど、彼方くんの肩の力は抜けたみたい。 よかった……っ。 「一華、ありがとう」 「ふふっ、なにがー??」 お礼を言われるようなこと何もしてないよ、私。 そう思って、よしっと立ち上がる。 「戻ろっか」 ずっと彼方くんの部屋にいるのは申し訳ないからリビングに戻ろうとすると、彼方くんは私の腕を掴んだ。