「…なんの、用ですか」
そう私が言った声は少し震えていた。
大丈夫、大丈夫、大丈夫だから…っ。
「なんの用って……そんなの彼方くんのことに決まってんでしょ?」
「……」
「彼方くんに近づかないでって言ったのに、また今日の朝登校して来てたわね。なんなの??本当。彼方くんにとっても私たちにとっても迷惑なのよ。やめてくれない?」
…迷惑??
違う、違う。彼方くんは1度だってそんなこと言わないし、そんな顔をしない。
「私は……」
私は…っ、彼方くんから離れたくない……っ!もっと知りたい、彼方くんのこと。もっと仲良くなりたい、彼方くんと。
そう、思ったんだ。
「先輩になんと言われようと、先輩の言う通りにはしません」
「は?」
「先輩には、関係ないことです」
そう、私が先輩の目を見て真剣に言うと、先輩は悔しそうに顔を歪めた。

