小動物な後輩君の愛が深すぎる





「よし! これでいいかな?」



8月中旬。夏祭り当日。

全身鏡の前で帯を整え、最終チェック。
髪が少し伸びたので、まとめて小さなお団子を作った。


今日は特別に透瑠パパが送迎してくれるとのこと。

透瑠くんの話によると、着付けの練習をしていたら、『お母さんに内緒で送るよ』と言ってくれたらしい。


さすが透瑠パパ。これなら安心してお祭りに行けるよ。


母には友達と行くと伝えているため、家の前だとバレる恐れがある。
なので、家から少し離れた場所で待つことに。

しばらくすると、曲がり角から透瑠パパの車が見えた。
手を振って存在を知らせる。



「こんばんは~。今日はよろしくお願いします!」

「久しぶり! ささ、乗って!」



透瑠パパに挨拶をして後部座席に乗った。



「清花さん、こんばんは」

「こんばんは!」



薄暗くてわかりづらかったけど、透瑠くんの浴衣も紺色だ……。
うわ~、被っちゃった。これじゃお揃いじゃん。

あっちもマジかよって思ってるかな……。