2人で笑いながら出口に向かっていると、自動ドア付近に看板が立っているのを見つけた。
あ、夏祭りのお知らせだ。
そういえば、一緒に行く約束してたっけ。
「お祭り、もうすぐですね」
「そうだね。透瑠くんは浴衣着ていく? っていうか持ってる?」
「はい。去年友達と花火見に行った時も着たので今年も着たいなと。清花さんは?」
「私も持ってるよ。去年は菫と一緒に着て行ったんだ」
もう1年経ったのか。早いなぁ。
菫、普段はふわふわしてるけど、大人っぽい浴衣着てたんだよね。
今年は怜也くんと行くのかな。
「菫……あぁ、あのラグドールみたいな先輩とですか?」
「っ……! うん、そうそう……」
透瑠くんも大型猫に似てると思ったんだね。わかるよ。
でも……なんでそんなピンポイントなの。
しかも種類同じだし。
口を押さえて笑いをこらえる私を、透瑠くんは不思議な眼差しで見つめている。
「あの……? どうしました?」
「ごめん、何でもない。花火も楽しみだね」
「ですね。いい場所見つけておきますね」
「お! ありがとう!」



