小動物な後輩君の愛が深すぎる


あー……冷房にやられたのか。

昔から繊細なの変わってないなぁ。
よく季節の変わり目に体調崩してたもんね。



「う……あっ……」

「だ、大丈夫⁉」



限界がきたのか、透瑠くんは膝から崩れ落ちてその場でうずくまってしまった。

周りを見渡すも、誰もおらず、自分しかいない。



「……乗って」

「すみません……」



歩けそうにもない彼をおんぶする。

うっ、けっこう重い。もう高校生だもんな。


刺激にならないよう気をつけながら、急いで保健室へ向かった。








「失礼します」

「お、青石さん。え、その子どうしたの?」

「体調悪いみたいで……少し震えてます」

「わかった。こっちへ」



ベッドまで運び、ゆっくりと下ろす。

毛布をかけてあげると、猫のように丸まってしまった。



「お腹痛いんなら、これ当てときな」

「ありがとうございます……」



細い声で返事をした透瑠くんは、毛布の中から手を伸ばして湯たんぽを受け取った。

良かった。少し震えが収まったみたい。