小動物な後輩君の愛が深すぎる


ですよね。だんまりなら、こっちに飛んできますよね。

なんて答えよう。
透瑠くんがあんな様子じゃあ、今更嘘ついても意味ないし……。



「あの……ちょっとギリギリのところにいて。起きた時すごく慌ててたので、それで真っ青になってたんだと思います」



決定的な言葉は省略して説明した。嘘は言ってないので大丈夫なはず。



「ギリギリ……あぁ~、なるほど! 柵ギリギリだったってことね!」

「言葉足らずですみません。思い出させると悪いと思って……」

「ううん! 落ちなくて良かったわね透瑠」

「……ん」



短い返事が聞こえた後、パチッと目が合った。
恐らく、ありがとうって意味だろう。

ふぅ、なんとか乗り切れた。







「あの、さっきはありがとうございました」



サービスエリアで昼食を購入し、車に戻る途中で透瑠くんが口を開いた。



「機転利かせてくれてありがとうございました。助かりました」

「いえいえ。あぁ言えば追及されないだろうなって思ったから」

「ハハッ、高所恐怖症が役に立つとは思いませんでしたよ」