「長い時間付き合ってくれて本当ありがとね。って、おーい聞いてるー?」



ゴロンと寝転がっている透瑠くんの顔を覗き込むと、スヤスヤ眠っていた。

私だけじゃなく、睡魔とも戦ってたみたい。



「お疲れ様……ごめんね」



スースーと寝息を立てる彼の頭をそっと撫でる。


真剣勝負だったとはいえ、ちょっと白熱し過ぎちゃったかな。
途中、瞼が半分下がってたし。


さて……下りる前に、ここで寝てしまった透瑠くんをどうするか。


今さっき寝たとはいえ、下で寝るよう起こすのはちょっと申し訳ない。

これがリビングだったら部屋まで運べたけど、はしごがあるからな……。





「あれ? どこ行くの?」

「屋根裏部屋。透瑠くん寝ちゃったから」



寝具を持って戻ろうとしたところを、トイレ帰りの父に呼び止められた。

さすがに布団は運べなかったから、枕とタオルケットだけだけど。



「あ、タブレットありがとう。さっき部屋に置いといた」

「あぁ……清花も上で寝るの?」

「うん。私が呼び出したんだし、自分だけ柔らかい布団で寝るわけにはいかないから」