「あぁ怖かったぁ……」
「大丈夫……?」
「……次は足場が安定してるとこに行こう?」
「う、うん……」
急いで橋を渡りきった透瑠くん。
顔が真っ青で、口にしなくても限界を迎えていることがわかる。
どうしよう。まだ半分も到達してないのに。
このペースじゃ集合時間ギリギリになりそう。
無理に誘っちゃったかなぁ……。
複数のアスレチックを通過し、休憩場所にやって来た。
ベンチに腰かけ、水でのどを潤す。
「清花さん、あれ」
透瑠くんの指差す先を辿ると、目の前のトランポリンで遊んでいる父親達を発見。
バランスを崩して転倒しているものの、満面の笑み。すごく楽しそう。
「あの親父が陰キャだったなんて信じられません」
「アハハ、だよね~」
はしゃぐ子ども達の邪魔にならないよう、端っこで飛び跳ねる父達。
久しぶりのキャンプだからか、今日は一段とテンションが高く見える。
今頃お母さん達も、子ども達に負けないくらいはしゃいでるんだろうな。



