小動物な後輩君の愛が深すぎる


……なるほど、綺麗系の顔立ちだから、無表情だと余計に怖いってことか。

っていうか、単に目がつり目で黒髪なだけなんだけど。


昔から近寄りがたいって言われることは多かった。

けど、こうやって面と向かって怖いと言われたのは初めてだったから、ちょっとショック。



「怖がらせたんならごめんね。別に怒ってるわけじゃないから」

「うん……」



精一杯の笑顔を浮かべて謝るも、まだ少しビビっている様子。

……もうちょっと雰囲気が柔らかくなれたらなぁ。







──昼休み。

隼からハンバーガーが買えたと連絡が来たので、早速彼のクラスへ足を運ぶ。

お弁当も持ってきてるけど、今日の5時間目が自習だから、先に課題を終わらせて、その時にトマトバーガーを食べよう。



軽い足取りで歩いていると、トイレから1人の男子生徒が出てきた。

具合が悪いのだろうか、壁に手をつけながら歩いている。歩き方もぎこちない。

目を凝らすと、少し震えているようにも見える。


どうしよう、声かけたほうがいいかな。

それか私欲を優先して、気づかないふりをするか……。