「ってか、俺の出番全然なかったしー。大量の荷物持たされただけだったー」
「「すみませんでした」」
口を尖らせた隼に謝った。
透瑠くんはスクールバッグだけだったけど、私と菫は服買ってたからなー……。
荷物を持たずに菫を捜しに行った自分を心の中で叱咤した。
「いいよ別に。何買ったの? 服?」
「うん。値下げされてた服だけど」
菫の言葉を思い出して、ワンピースを買ったとは言えなかった。
ましてや白レース。
カジュアルな服が多い私にとって、フェミニンな服を買ったなんて言ったら……。
「変な物でも食った?」ってツッコまれるに違いない。
「わぁー、ケチだねぇー」
「っ、欲しい服が値下げされてただけです!」
クスクス笑う隼にムキになって言い返すも、隣からも小さく笑う声が。
「なっ、何笑ってんの!」
「普通に、服買ったよって言えばいいものを、値下げって……」
「だよなー。まぁ俺も半額の服買ったけど」



