小動物な後輩君の愛が深すぎる

わーわー言い合う2人。

菫のこと警戒してたけど、なんだかんだ仲良しじゃん。



「あのー……俺の存在忘れないで……」



微笑ましい顔で眺めていると、後ろからか細い声が聞こえ、振り向く。

そこには、3人分の荷物を持った隼が息切れしながら立っていた。

……しまった。荷物持たせたままだった。







「今日はありがとう! じゃあね~!」



菫を駅まで送り届け、3人で帰路へ就く。



「今日は災難だったな。まさか透瑠まで男子に絡まれたなんて」

「大丈夫だった? ケガはなかった?」

「はい……むしろ、あんなデカい声で呼ばれて恥ずかしかったです」



透瑠くんは険しい顔で溜め息をついた。

「モルくん!」と連呼されていたらしい。

緊急事態だったから仕方なかったとはいえ、お店の中でこのあだ名で何度も呼ばれるのは恥ずかしいよね。



「でも、助けようとしたんでしょ?」

「清花さんの友達ですし、無視できないじゃないですか」



ブツブツと文句を垂れる透瑠くん。

ケンカするほど仲がいいってやつだな。