そうは言っても……菫、男子に絡まれやすいから、ちょっと心配なんだよね。
これまでも何度か男子に絡まれて、嫌な思いしてたし……。
「……捜してくる!」
「あっ、ちょっと!」
菫が向かった方向へ歩みを進めると、同じ制服姿の男子達を発見。
彼らの隙間から見えたのは、菫と……透瑠くん?
菫はともかく、なんで透瑠くんまで絡まれてるの⁉
「私の友達に何か用ですか?」
「「「あ……青石さん⁉」」」
呼吸を整えて後ろから声をかけた途端、彼らは血相を変えて怯え出した。
私の名前、知ってるんだ。
去年、保健委員やってた時に、男子達にちょっと噂されてたから、それで名前知ってるのかな。
「嫌がっているのがわからないんですか?」
「「「しっ……失礼しました‼」」」
慌てて走り去っていく彼らを睨み付けると、「清花~! ありがとう~!」と後ろから菫に抱きつかれた。
「無事なら良かった。でも、なんで透瑠くんもいたの?」
「巻き込まれました」
「助けてくれようとしたの!」
「デカい声で呼ばれたから無視できなかっただけです」



