「────ふぅ、いい買い物した~。ねぇ、あのワンピース、モルくんとのデートに着ていくの?」
「まだ決めてないよ」
一通り歩き回り、ベンチに腰掛けた。
ワンピース、買おうか迷ったけど、安くなってたのもあって思い切って購入した。
重ね着すれば、冬でも着られそうだし。
よそ行きでもホームパーティーでも使えそう。
買って良かったかも。
「お、清花」
荷物を置いてトイレに行った菫を見送ったタイミングで、隼と遭遇。
両手にはふたり分のスクールバッグ。
透瑠くんも、先程トイレに行ったばっかりなんだそう。
一緒にベンチに腰掛け、ふたりが来るまで時間を潰す。
「────遅いね……」
「うん。もう10分は経ってるよな」
混んでいるのだろうか、10分以上経っても帰ってこない。
そんなに遠くのトイレには行ってないはずなのに。
「また何かに巻き込まれてたらどうしよう……」
「トイレ混んでるだけかもよ?」



