「清花~! モルモットくんだよ!」
「なんでいるの……⁉」
「それはこっちのセリフですよ」
戻って来た菫の隣には、予想通り、温かいお茶を持った透瑠くんが立っていた。
どうやら隼とふたりでお昼ご飯を食べに来たらしい。
「それより、モルモットって何ですか」
「綺麗な毛並みとつぶらな瞳が似てるなぁ~って!」
透瑠くんは怪訝な顔で菫を見ている。
毛並み……は、多分髪の毛のことだろう。
表情から、「なにこの人……」と心の声が聞こえてくるくらい、めちゃめちゃ警戒している様子。
「透瑠くん達はこの後どこか行くの?」
「隼くんと服を見に行きます」
「え! 一緒! 私達も服見に行くの!」
嬉しそうに菫が口を開いた瞬間、透瑠くんの顔が再び険しくなった。
今まで菫をこんな顔で見た男の子は、多分透瑠くんが初めてじゃない……?
「────近くで見ると、本当小動物みたいで可愛いかった~」
「あんまり言うと拗ねちゃうから程々にしてあげて」



