小動物な後輩君の愛が深すぎる

「なになに~? 彼氏~?」

「違うよ! 友達!」



「おーい!」と手を振る菫に、透瑠くんは少し戸惑いつつ会釈した。

そのまま教室に入って行くのを見届けると、菫が少し興奮気味で口を開く。



「なんかモルモットみたいで可愛いかったね!」

「う、うん……?」



モ、モルモット……?
私は長年うさぎに似てるって思ってたけど……どっちにしろ、小動物系ってことだよね?



「ちなみに、清花はロシアンブルー、黒瀬くんは黒豹、上川くんはユキヒョウに似てるよ!」

「全部ネコ科なの⁉」



ロシアンブルー……例えが独特だな。
それなら菫は、背が大きくて人懐っこいラグドールかな。



──翌週の金曜日。



「終わったぁ~」



1週間に渡った中間テストが終了。
力を使い果たし、机にぐでーっとうなだれる。



「清花ちゃん、どうだった?」

「悔いなし。全部8割ぐらい取れていたら充分かな」

「おお~っ! 俺、数学はけっこう自信ある!」



顔だけを横に向けて、隣にいる怜也くんに返事をする。

ヤマが当たったらしく、ご機嫌な様子。

テストが終わったってことは、魚の勉強も再開するのかな。