「ただいま、何見てるの?」
「あ、おかえり! いやぁ~! さっき綿原さんから返事が来て、オッケーもらったんだ!」
見せてきた画面には、魚の絵文字がついた了承の返事が映っていた。
フフフ。返事も菫らしい。
「そっか、良かったね」
「うん! 図書室で魚の図鑑借りようかな」
ムフフと顔をニヤつかせて、スマホ画面に視線を戻した怜也くん。
「まずはテストを終わらせてからにしなよ」とツッコミたいところだけど、嬉しそうなのであえて黙っておいた。
──昼休み。
菫から【相談したいことがある】と連絡が来たので、中庭で話を聞くことに。
「あの、上川くんのことなんだけど……何か私のこと言ってなかった?」
困り顔で不安そうに口を開いた菫。
怜也くん? 何か言ってたっけ……。
「あ、水族館デートの話ならしたよ」
「デ……デート⁉ 上川くんそう言ってたの⁉」
「あっ、いや。私が勝手に言っただけ」
「なんだ、ビックリしたぁ」



