小動物な後輩君の愛が深すぎる


「俺、応援してるからね!」ときゅぴーんと目元でピースした樹。

拗ねていたとバレて恥ずかしくなり、プイッとそっぽを向いて唇を噛みしめた。







「水沢~っ、返却期限過ぎてたぜ~」



昼休み。弁当を食べ終えてボーッとしていると、図書委員の男子に通知書をもらった。

あちゃー、期限昨日までだったのか。
昨日は保健室にいたからなぁ。



「ごめん、まだ返してなかったな」

「いいって。昨日休んでたもんな。今からでも大丈夫だから行ってこいよ」

「あぁ、サンキュ」



この学校の北校舎と南校舎を繋ぐ2階の渡り廊下は、別館にある図書室に繋がっている。

まぁ、図書室っていっても3階建てだし、むしろ図書館ってかんじなんだけど。

勉強できる場所もあって人気スポットらしい。


受付で本を返し、帰ろうとすると、本棚のそばに見慣れた後ろ姿を見つけた。



「あれ? 隼くん?」

「おお、透瑠!」



振り向いた隼くんの手には、難しそうな分厚い本が。

隼くんが図書室になんて珍しい……。



「まさかここで会うとはなぁー。透瑠も勉強しに来たの?」

「いや、本返しに来ただけ……」