小動物な後輩君の愛が深すぎる


「青石先輩! お久しぶりです!」

「おお、樹くん! 久しぶり!」



妄想にふけっていると、樹が後ろからにょきっと顔を出してきた。


俺だけこの2人とは別の小学校なんだけど、家が小学校の学区内の境界線辺りにあるから、実はけっこう家が近いんだよな。

そのため、登下校中に何回か合流したことがある。

多い時は、姉ちゃんと隼くんも入れて5人で登校してたな~。


回想してたら、いつの間にかクラスメイト達が窓から顔を覗かせて、清花さんに注目していた。


ダメだ!

清花さんの笑顔を見たら、みんな好きになっちゃう……!



「清花さん、もう行かないと! 授業遅れちゃいますよ!」

「えっ、あぁうん。じゃあね」



早口で彼女を帰し、ふぅと溜め息をつく。

……今見てた人、絶対清花さんにときめいたよな。絶対可愛いって思ったよな。くそっ。



「終始デレデレだったね~」



ふてくされていると、樹が顔をニコニコさせて口を開いた。

うわ……さっきと同じ顔してる……。



「お前も嬉しそうだったな」

「だって久しぶりに会えたし。ってか、透瑠って嫉妬深かったんだね」