小動物な後輩君の愛が深すぎる



──水沢智恵理。


清花さんと隼くんを紹介してくれた、1個上の姉で、中学2年生の時に亡くなっている。


樹が話していたように、俺は中2から中3までの2年間、ここから離れた場所で暮らしていた。


暮らしていたといっても、家族全員ってわけではなくて。


俺だけお母さんの実家……おじいちゃんとおばあちゃんの家に預けられることになったんだ。

姉ちゃんが亡くなって、しばらく経った後だったかな。


精神的に病んじゃって、勉強も趣味も手につかなくなって、引きこもるようになってしまった。


夢に姉ちゃんが何度も出てきたり、夜中に何度も目が覚めたりして、熟睡できない日がずっと続いて。


両親が俺を病院に連れて行くも、改善することはなく……。


「精神を療養するために、環境を変えたほうがいい」と病院の先生から言われて、それで中1が終わるタイミングで転校することになったんだ。


あ、今はもう回復してるよ。
毎晩グッスリ寝てるから安心してね。



「あっ、青石先輩だ」

「えっ、どこどこ」



急いで窓の外を見ると、体操服姿の清花さんを発見。

その隣には、隼くんの同じぐらいの背丈の華やかな顔の男の子がいた。