小動物な後輩君の愛が深すぎる





「今日はありがとうございました」

「いえいえこちらこそ」



お母さんがもうすぐ帰ってくると連絡が来たので、名残惜しいけど透瑠くんを帰すことに。

顔も赤いし、耳も赤いし。一緒にいたら変に勘ぐられるかもしれないからね。



「ねぇ、もう心の準備できた?」



玄関まで送り届けると、くるりと振り向いて首を傾げた透瑠くん。

それは……キスしたいってことだよね。

せっかちだなぁと思いつつも、愛されてるのを実感して、胸がポッと温かくなった。



「……いいよ。しよっか」

「えっ、いいの? じゃあ……遠慮なく」



透瑠くんの手が頬に触れ、そっと目を閉じる。


帰ってきてから何も食べてないし、今朝も匂いが強い物は食べてないし。

ちょっとチュッてするだけだから一瞬で終わるし。大丈夫。


……待った、唇カサついてなかったっけ? 確認するの忘れた。あぁもう、リップクリーム塗っとけば良かった。