小動物な後輩君の愛が深すぎる

しかし……。



「……っ! 何してんの⁉」

「えっ? 顔が嫌だって言ったから、顔周りならいいかなって」

「だからって……っ」



唇が触れたのは左耳。

差し出した手は悲しくも引き下げられていた。


予想してなかった事態に焦っていると、



「また照れてるの? そんな可愛い顔してたら俺の心臓持たないよ」



抱きしめられて、肩に顔を埋めてきた。

いやいや、透瑠くんの可愛いさには負けるよ。
両想いになったから積極的になったのかな。



「……そうだ、この時私の夢見てたんだよね?」

「はい。今も覚えてますよ」

「どんな内容だった?」



恥ずかしさを紛らすように、話を逸らす。

色褪せた紙を持って尋ねると……透瑠くんはギュッと唇を噛みしめて、



「…………たくさんキスしてイチャイチャしてました」



えっ……えええええ⁉

キス⁉ イチャイチャ⁉
待って、この時まだ小学生だよね⁉

こんな純粋そうな顔して、なんて夢を見てるんだ……!



「このマセガキ……!」

「っ、マセガキでけっこうです!」



あーまた拗ねちゃった。

なるほどね。だからこんなにベタベタしてくるんだ。